2025.10.29
顎関節症ってどんな病気?〜その症状と原因、治療法について〜
こんにちは。やまもと歯科大久保院です。今回は、最近よく耳にする「顎関節症(がくかんせつしょう)」についてご紹介します。
顎関節症とは、顎(あご)の関節やその周囲の筋肉に異常が生じ、痛みや動かしにくさなどの症状を引き起こす病気です。実は、成人の約10人に1人が何らかの顎関節症の症状を経験すると言われており、決して珍しいものではありません。
顎関節症の主な症状
顎関節症には、以下のような症状があります。
- 口を開けるとカクン、ミシミシといった音がする(関節雑音)
- 口が大きく開かない、開けにくい(開口障害)
- 顎の周囲、耳の前、こめかみ、首筋などに痛みを感じる(顎関節痛、筋肉痛)
- 噛み合わせが急に合わなくなったと感じる
これらの症状が単独で現れる場合もあれば、複数が同時に現れることもあります。
原因はひとつじゃない?
顎関節症の主な要因
顎関節症の原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって発症することが多いとされています。
主な原因としては、
歯ぎしり・ 食いしばり |
無意識のうちに顎に強い負担をかけています。 |
| ストレス |
精神的な緊張が顎や顔の筋肉に影響を及ぼします。 |
不正な 噛み合わせ |
噛む力のバランスが崩れ、関節や筋肉に負担がかかります。 |
| 外傷 |
転倒や事故などによる顎の打撲。 |
長時間の 悪い姿勢 |
特にスマホやパソコンの長時間使用による首や肩のこり。 |
つまり、生活習慣や姿勢、精神的な状態など、様々な要素が関わっているのです。
顎関節症の治療法
1.保存療法(非侵襲的治療)
顎関節症の治療には、症状の程度や原因に応じたアプローチが必要です。代表的な治療方法は次の通りです。
| スプリント療法(マウスピース) |
寝るときに専用のマウスピースを装着し、歯ぎしりや噛みしめを緩和します。 |
| 薬物療法 |
痛みや炎症を抑えるための鎮痛薬、筋弛緩薬、抗不安薬などが処方されることがあります。 |
| 理学療法 |
顎のストレッチやマッサージ、温熱療法などで筋肉をほぐします。 |
| 生活指導 |
噛み癖や姿勢、食事の取り方など日常生活の見直し。 |
2.外科的治療(ごく一部の重症例)
関節内の洗浄(関節腔内洗浄)や、まれに関節の手術を行う場合もありますが、ほとんどの患者さまは保存療法で改善が見込めます。
放置してもいいの?
軽度の症状は一時的なものも多く、自然に改善することもありますが、長期間放置すると症状が慢性化したり、他の部位(首、肩、頭部)にも不調を引き起こす可能性があります。
特に、痛みや開口障害が続く場合は、早めに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。
まとめ
顎関節症は、多くの人が経験する可能性のある身近な病気です。しかし、「そのうち治るだろう」と放置せず、早期の対処と正しい治療を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。
もし「口が開けづらい」「顎が痛い」「音が鳴る」といった症状がある場合は、お気軽にやまもと歯科大久保院までご相談ください。患者さま一人ひとりの状態に合わせた、丁寧な診断と治療をご提供いたします。