フッ素塗布って本当に効果があるの?
こんにちは。やまもと歯科大久保院です。 「フッ素塗布って本当に必要なの?」「毎日歯みがきしていれば大丈夫なんじゃないの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。特に、お子さまを持つ保護者の方からは「わざわざ歯科医院でフッ素を塗ってもらう意味があるのか」といったご質問をよくいただきます。 結論から言うと、フッ素塗布には虫歯予防において科学的に実証された効果があり、特に乳歯や生えたての永久歯を守るためには非常に有効です。 フッ素の虫歯予防効果とは? フッ素には以下の3つの主な働きがあります。 歯の再石灰化を促進する虫歯は、酸によって歯の表面のカルシウムやリンが溶け出すことから始まります。フッ素はこの溶けた成分を歯に戻す「再石灰化」を助け、初期虫歯を自然に修復する力をサポートします。 歯の質を強くする歯の表面に取り込まれたフッ素は、エナメル質を酸に溶けにくい性質に変化させ、虫歯に対する抵抗力を高めます。 虫歯菌の働きを抑える虫歯の原因となるミュータンス菌などの活動を抑制し、酸の産生を減少させることで虫歯の進行を防ぎます。 フッ素塗布はどんな人におすすめ? フッ素塗布は子どもだけでなく大人にも有効です。ただし、特に効果が期待できるのは以下のような方です。 乳歯列や生えたばかりの永久歯があるお子さま生えたての歯はエナメル質が未熟で、虫歯になりやすい状態です。フッ素で強化することで、初期虫歯の予防につながります。 虫歯になりやすい方、過去に虫歯が多かった方歯の質が弱かったり、生活習慣により虫歯のリスクが高い方は、フッ素で補助的にケアすることが大切です。 矯正中の方や、歯ブラシが届きにくい部位が多い方装置のまわりや奥歯の溝など、磨き残しやすい場所は虫歯のリスクが上がります。フッ素塗布でリスクを低減できます。 歯みがきだけじゃ不十分? もちろん、毎日の歯みがきは虫歯予防の基本です。しかし、歯ブラシではどうしても届にくい部分や、個々の歯の質・唾液の量・食生活などにより、磨いていても虫歯になってしまうことはあります。 フッ素塗布は、そんな「毎日のケアを補助する役割」として重要です。特に小児期の歯科予防では、フッ素塗布を続けた子どもとそうでない子どもで、将来の虫歯の数に明確な差があるというデータも多数あります。 フッ素塗布の安全性について 「フッ素って体に害はないの?」と不安に思う方もいらっしゃいますが、歯科医院で使用するフッ素は安全な濃度で管理されており、副作用の心配はほとんどありません。年齢や歯の状態に応じて最適な量を使用するため、ご安心ください。 また、最近では家庭でも使えるフッ素配合歯みがき粉や、フッ素洗口液も多く販売されていますが、歯科医院で行う高濃度のフッ素塗布は、市販品では得られない効果が期待できます。 まとめ フッ素塗布は「虫歯になってから治す」のではなく、「虫歯にならないように守る」ための、非常に有効な方法です。特にお子さまの歯を守るためには、定期的なフッ素塗布と日々のケアの両立が理想的です。 「うちの子も塗ったほうがいいのかな?」と迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。お子さまの成長段階やお口の状態に合わせて、最適なケア方法をご提案いたします。
2025.07.23