顎関節症ってどんな病気?〜その症状と原因、治療法について〜
こんにちは。やまもと歯科大久保院です。今回は、最近よく耳にする「顎関節症(がくかんせつしょう)」についてご紹介します。 顎関節症とは、顎(あご)の関節やその周囲の筋肉に異常が生じ、痛みや動かしにくさなどの症状を引き起こす病気です。実は、成人の約10人に1人が何らかの顎関節症の症状を経験すると言われており、決して珍しいものではありません。 顎関節症の主な症状 顎関節症には、以下のような症状があります。 口を開けるとカクン、ミシミシといった音がする(関節雑音) 口が大きく開かない、開けにくい(開口障害) 顎の周囲、耳の前、こめかみ、首筋などに痛みを感じる(顎関節痛、筋肉痛) 噛み合わせが急に合わなくなったと感じる これらの症状が単独で現れる場合もあれば、複数が同時に現れることもあります。 原因はひとつじゃない?顎関節症の主な要因 顎関節症の原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって発症することが多いとされています。 主な原因としては、 歯ぎしり・食いしばり 無意識のうちに顎に強い負担をかけています。 ストレス 精神的な緊張が顎や顔の筋肉に影響を及ぼします。 不正な噛み合わせ 噛む力のバランスが崩れ、関節や筋肉に負担がかかります。 外傷 転倒や事故などによる顎の打撲。 長時間の悪い姿勢 特にスマホやパソコンの長時間使用による首や肩のこり。 つまり、生活習慣や姿勢、精神的な状態など、様々な要素が関わっているのです。 顎関節症の治療法 1.保存療法(非侵襲的治療) 顎関節症の治療には、症状の程度や原因に応じたアプローチが必要です。代表的な治療方法は次の通りです。 スプリント療法(マウスピース) 寝るときに専用のマウスピースを装着し、歯ぎしりや噛みしめを緩和します。 薬物療法 痛みや炎症を抑えるための鎮痛薬、筋弛緩薬、抗不安薬などが処方されることがあります。 理学療法 顎のストレッチやマッサージ、温熱療法などで筋肉をほぐします。 生活指導 噛み癖や姿勢、食事の取り方など日常生活の見直し。 2.外科的治療(ごく一部の重症例) 関節内の洗浄(関節腔内洗浄)や、まれに関節の手術を行う場合もありますが、ほとんどの患者さまは保存療法で改善が見込めます。 放置してもいいの? 軽度の症状は一時的なものも多く、自然に改善することもありますが、長期間放置すると症状が慢性化したり、他の部位(首、肩、頭部)にも不調を引き起こす可能性があります。 特に、痛みや開口障害が続く場合は、早めに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。 まとめ 顎関節症は、多くの人が経験する可能性のある身近な病気です。しかし、「そのうち治るだろう」と放置せず、早期の対処と正しい治療を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。 もし「口が開けづらい」「顎が痛い」「音が鳴る」といった症状がある場合は、お気軽にやまもと歯科大久保院までご相談ください。患者さま一人ひとりの状態に合わせた、丁寧な診断と治療をご提供いたします。
2025.10.29


